ニーズという言葉は死語

「それってニーズあるの?」

 

ビジネスを考えているとよく言われている言葉。

俺はそいつらに聞き返してやりたい。

「そもそもニーズっていう言葉にニーズはあるのか?いや、ない」と。

 

例えば、旅をしていて一番面白い発想だなと思ったのはシンガポールのレストラン。

このレストラン、観覧車の中にある。

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シンガポールフライヤーでのフルコースディナー!スカイダイニング 優先乗車付! | シンガポールの観光・オプショナルツアー専門 VELTRA(ベルトラ)

1週1時間、夜景を見ながらフルコースを楽しむことができる。なんて素敵な演出。

観覧車って頂上でキスする以外、暇な時間じゃないですか?(そんなことないか

その暇な時間、ご飯でも食べて夜景でも見ましょうよ!ということです。

 

これが素晴らしいなと思ったのは3点。

1.1時間という制限付き。しかもお店の3時間コースのように、お店側の「早く出てけよ回転率高めないといけないんだから」オーラゼロ。また、時間制限があるからこそ貴重な体験になる。

2.プライベート空間 どんなに騒いでもどんなことをしても、周りの目は(ほぼ)ない。

3.夜景を見ながらディナーを楽しめる

 

日本でもこれウケると思うし、それこそ合コンとか婚活でこれはかなりいいんじゃないかなと。吊り橋効果も付随するし。

吊り橋理論 - Wikipedia

 

自分の中では「そうだよ!こんなレストランが欲しいんだよ!これだよこれっ!」と思ってるわけなんです。だけどこれは潜在的なもの。ほとんどの人の感情は「何か面白いものが欲しい」と思っているだけで「観覧車とレストランが合体したものが欲しい」なんてのは、考えてないわけです。(当時の自分も)

でも突然目の前に出されると「これだよ!これっ!」ってなるものなんです。

ブランド品とかでも同じ。

「このマフラーかわいい!ちょっと細身で天然カシミアのマフラーで、少しストライプが見えてすっごいおしゃれ!これ欲しい!」と心の中で思っているものの、決して「これがずっと私の考えて欲しいと思ってたものなの!」なんて真には思ってないわけです。

「ニーズからはtwitterは生まれない」のと一緒。おそらく、全世界の誰もが140字制限付きのSNSなんて求めてなかったと思う。Facebookでよくね?2chでよくね?と反論されまくってたと思う。twitterにニーズは0だったはずだ。

ということで、ニーズがあるかを確かめるなんて気休めにしかならないし、ニーズは埋めるものではなく作り出すもの。「それってニーズあるの?」ということを聞く自体ナンセンス。 

テレビがなぜつまらなくなったか

これもニーズが関係してるんじゃないかと思う。

TVはこれまで一方方向のコミュニケーションだった。基本的にはディレクターがテレビ番組を作成し、視聴者が観る。ところがインターネットの発達により、誰もが気軽にコメント、評価できる時代になった。これまではアナログで手間をかけてでもコメントしたい人しかコメントしなかったのが、あまり興味のない人も書けるようになった。

その結果、テレビは視聴者に意見を求めるようになった。具体的にはキャストだ。

誰が一番印象が良かったか、面白かったかなどを視聴率以外の形で確認するようになった。その結果が「お笑い芸人」である。

お笑い芸人の多くは一般視聴者が選んだ「テレビで観たい一般人代表」みたいなものである。漫才のテレビ番組では一般視聴者の投票があるのはみなさんご存知の通り。

そして投票が多かった人がテレビに露出する機会が多くなる。すなわち、テレビはキャストの選出を一般視聴者に求め始めた。

僕は江頭2:50の大ファンだが、彼は「最も嫌いな芸人No.1」を何年も連続で取り続けている。それと同時に、多くの固定ファンがいる。彼はあの時代だったからこそテレビに出れたが、今の「一般視聴者が選ぶ」方式では彼は選ばれないと思う。

今の時代はニーズを求め過ぎていて何も楽しくない。

結論こんな感じ

おれ「誕生日プレゼント、何が欲しい?」

彼女「プラダのネックレスが欲しいの」

 

-当日-

 

おれ「はい、これ誕生日プレゼント!開けてみて!」

 

彼女「        」

 

もちろんプラダのネックレスを準備した。

さて、プレゼントを渡された彼女の目はワクワクしているだろうか。プラダのネックレスを見たとき飛びっきりの笑顔で喜んでくれるだろうか。

 

ニーズって言葉、死語になればいいのに。