たかが文章、されど文章。

残された桜

 宇宙から、時間を圧縮して地球を見ると、「都市」は、生物のように見えるのではないだろうか。あるポイントに、偶然性を伴って誕生し、細胞分裂をく李返すように、また、繁殖して膨張するように、あるいは、精密な複製化を果たしているように見えるはずだ。その細部にしても、あたかも、器官を思わせる。超高層ビルは、空に向かって成長していき、内部には、まるで呼吸器や循環器に似た吸排気システムのパイピング、電源網の配線があり、虹彩のように無数の窓明りが点滅する。そして、生物が突然変異によって進化の糸口を得るように、都市も、あるとき大きく変化する。

 現在進行している「都市」の変化を、どう表現していけばいいのだろう、宇宙からはどう見えるのだろう、そんなことを考えながら、わたしは、街を歩くことがある。「スクラップ&ビルド」の全盛時代、古い街並みをすべて壊し、更地にして高層ビル群を建てたり、海を埋め立てて複合施設を造ったり、わたしたちは「自然」に挑み続けてきた。そんな時代を否定する必要はない。しかし、生物が環境に適応するように、「都市」も新しい概念を手に入れつつある。 by 村上龍

 

やっぱプロは違うなぁ。。